60年代中〜後期にスペインで絶大な人気を誇ったロス・ブリンコスです。

世界中に星の数程あるビートルズ・フォロワーですがこのバンドも例外なくスペインのビートルズと呼ばれてます。

実際、数多くのナンバーワン・ヒットをスペイン・チャートに送り出した彼らは本国ではビートルズ以上の人気だったようです。

バンドは1964年にフェルナンド・アルベックス、マヌエル・ゴンザレス、フアン・パルド、そしてアントニオ・モラレスの4人で結成されました。

結成初期はレコード会社の「スペインのビートルズを作ろう」という思惑がありアイドル・グループという感がありました。(初期の頃はスタジオ・ミュージシャンが演奏していたという説があります)
まぁアメリカのモンキーズみたいな感じでしょう。

デビュー・シングル「Flamenco」はスペイン・チャート1位になります。
この曲はタイトル通り、フラメンコのコード進行+UKビート調な曲でスピード感ある仕上がりとなっています。

1967年にフアン・パルド、アントニオ・・モラレスが脱退。特にモラレスはバンドの看板だったのでバンドにとっては痛手です。
バンドは心機一転、スタッフやプロデューサーを一新しました。
この年に発表されたロス・ブリンコスのサード・アルバム「コントラバンド」が本記事のメインです。


ロス・ブリンコス/コントラバンド

キンクスやトロッグスのプロデューサーであるラリー・ペイジを迎えたこのアルバム、サイケ・ポップとガレージがブレンドされたとても素晴らしいアルバムです。
スペイン語で歌っているのですが、その語感と不思議なコード進行が混じりあった世界は独特です。

4曲目「Rapidamente」はThe Whoの「恋のピンチヒッター(SUBSTITUTE)」にそっくりなんですね。
8曲目アルバムタイトルでもある「Contrabando」はファズギターがたっぷり聴けるインスト・ナンバーです。

他にもバーズ風の曲やソフト・ロック路線の曲など非常にバラエティに富んでいます。

アルバム1曲目の「Lola」はチャート1位でスペイン国内での人気は相変わらだったのですが、このアルバム発表後はセール的には芳しくなく、バンドは1970年に4枚目のアルバム「Mundo, demonio y carne 」を発表して解散します。

 

カバー曲が南米などでは多数残されているなど、ラテン・アメリカで絶大な人気を誇ったロス・ブリンコスは2000年に再結成されアルバムも1枚残してます。
しかし、2003年にフェルナンド・アルベックスが永眠してしまいました。

現在CD化されたロス・ブリンコスのコントラバンドは67年以降の曲が追加された拡大版となっており、かなり聴き応えがあります。