このブツは私が始めて購入したディストーションです。
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ペイントしちゃったので元の図柄がわからないかも知れませんが、 70年代のMXR・Distortion+と思っていただいて差し支えないです。
つまりMXRのバチモンなのですな。

製造元はCoronという日本のメーカーで主に70年代~80年代に生産されてたようです。今はもう無いと思います。
どうやら海外への輸入向けに販売していたのがメインのようです。

これを購入した82年当時、MXRはワンランク上のエフェクターという認識でした。
お値段もお高くアマチュア風情には少々恐れ多かった記憶がございます。

少なくとも私の周りでは。

なのでごく稀にMXRのエフェクターを持ってるヤツを見かけると、
「ちっ、ブルジョアジーめ」と軽い妬みを覚えたものでした。

なので自給400円でバイトしていた私の購買力では、とてもじゃないが変えないシロモノだったのです。

そこで、このバチモンの出番ですよ。

たしか2,980円だったと思います。当時としても破格のお値段です。
購入したお店はグレコのストラトを購入した店と同じく帝都無線です。

ですが、バチモンのくせにこれがなかなかあなどれないヤツでした。

私は今も昔もアンプのセッティングで軽く歪ませて、ここぞというところでファズを踏む。といった感じなのですが、こいつは名前こそディストーションを名乗ってますが中身は完全にファズです。
バンドの練習時に「おっしゃ!ここだ!」とコイツを踏むと物凄い音が出ます。
「モギャブー」とか「ブゥワヒー」とか「バリバリバリ」って感じです。
音圧も凄いのです。
するとバンマスのギター&ボーカルのO竹氏に、
「おまえのそのキタネー音はなんとかなんないのか?」
と、よく苦情を言われました。
「ごめんごめん」と私は愛想よくいうのですが、私のCoronはお構いなしに「モギャブー」と雄たけびをあげてました。
流石にO竹氏もあきらめたようで途中から何も言わなくなりました。

さてさてこのペイントなのでが、これは若気の至りです。若い頃って見栄を張りたがるじゃないですか。
ギターのヘッドのGrecoをGibsonに変えてる人もいましたし。
それと一緒でCoronの文字がとても恥ずかしかったのです。
現在は私も大人になって音が良くて扱いやすければ、メーカーなんぞには全くこだわらなくなりました。
今はやんなきゃよかったと後悔しています。Coron君ごめんよ。

それで昔の私はモノを乱暴に扱ったり、おおざっぱで面倒くさがりだったので、電池を交換するときやメンテナンスをする時につまみを取るのが面倒で捨ててしまいました。
同様に裏蓋のネジも「2つあれば充分」と残り2つしかありません。
今は大人になって、エフェクターはちゃんと磨きますし箱にいれて保存してるんですけどね。

このCoronのディストーションはかなり長い間使い込みました。
本当に若い頃の良き相棒って感じでお世話になりました。
もちろん今でも音は出るのですが、調子はあまりよくないです。
今度きっちりとメンテナンスして昔の恩返しをしたいと考えています。

それにしてもあの頃のエフェクターは面白いものがたくさんあったなぁ。
ローランド系列の自作エフェクターキットのアムデックや、日本ハモンド(元はエーストーンか)から発売していたBig Jamとか。
アリオンなんてその頃から安モンメーカーとして今でも君臨してるんだからたいしたもんです。
最近流行りのブティック系メーカーもいいですが、安エフェクターもなかなか捨てがたいものがありますね。

 

追記:某、激しいオフで綺麗な状態のCoron君を手に入れました!

コレですよコレ!

限りなくMXRに近い素晴らしきバッタもん。