1982年の中学もそろそろ卒業しようかという頃である。
当時、横浜モアーズに帝都無線という楽器屋があった。
値段は35,000円位だったと思う。定価は覚えていない。
ジミヘンに憧れてギターを始めたので、同じストラトキャスターを購入したのだが中学生がそんなに銭を持ってるわけなく、グレコのストラト・モデルを買った。
ギターを始める前なのでそんなに知識があるわけもなく、購入して少し経ってから、ヘッドがスモールヘッドだったり、ボディの色がクリーム色じゃなくホワイトだったり、指板の色もジミヘンと違うことに気がついた。ジミヘンがよく使用していたクリーム色のストラトは指板がメイプルなんだよ。
対してコイツはローズウッド。
ちょっとがっかりしたけど、さらに月日が経ちジミヘンもローズ指板でスモールヘッドのストラトを使っていたことを知り、とりあえず無理やり納得することにした。
ボディもいつの間にかヤニでクリーム色になってるし。
このストラト、購入当時は自分の妄想で勝手に「ジミヘン・モデル」だと勘違いしていたが、最近ちゃんと調べてみたら、謎なギターなのである。
「ジェフ・ベック・モデルかなぁ」と疑ってみたこともあったが、確かに当時のグレコでジェフ・ベック・モデルは販売していたが、ピックガードとピックアップカバーが黒なのである。
あと型番がSEまでしかわからない。(SEはストラトモデルを表わす)
ヘッドにはSUPER SOUNDと刻印しているがスーパーサウンド期は80年までだと思うのだが(メインは70年代)、シリアルナンバーを見ると82年3月製造のようだ。
82年といえば、フェンダー系のコピーモデルはフェンダージャパン・ブランドから発売が始まった年である。
ということはグレコ・ブランドどしては最後のストラトなのか。
さらにこのギター、パーツがゴールドパーツ仕様になっている。
上の写真ではちょっとわかりづらいかも知れません。
それに30年近く前のギターなので色も変色しちゃってるし。
当時のカタログにも載ってないし、ネットでも色々と調べてみたのだが、全くわからなかった。
このストラトについて知っている人がいたら教えてくださいませ。
それにしてもこのギターには思い入れ深いものがあるのです。
このストラトで、夢中になって毎日練習して、高校の友達と始めて組んだバンドでもこのギターをず~っと使っていた。
ライブでもよく使っていた。
私は無頓着でいい加減でモノを荒く使うので、このギターもボロボロだ。
リアのピックアップカバーが割れてしまったので、面倒くさいから捨てちゃって、ひとつだけリッチー・ブラックモア仕様みたいになってるし。
後ろなんてベルトのバックルでキズキズになっちゃてるし。
で、実はこのギター、ピックアップと配線はオリジナルではないのである。
あの頃の楽器屋はどこも面白くて、行くと必ず変なモノが売っていた。
ピックカバーにピックアップや配線全てがセットになっていて、アウトプットだけ半田づけすればよいというシロモノが確か2,000円だか3,000円で売っているのを見つけて、改造に憧れていた私は即購入した。メーカーは全くの不明。
それでジミヘンは右用のストラトを逆に弾いていて、ピックアップの位置が変わり独特な音になると知ったので、このピックアップだけをひっくり返して使っていた。
安物のくせにオリジナルより全然太く甘い音がでるので嬉しかった。
オリジナルのピックアップと配線はどっかにまだ残っていると思う。
当時はギブソンやフェンダーなんて、とてもじゃないけど買えなかった。
例え銭があっても恐れ多くて買えなかった。
いつかはモノホンを手に入れてやる!と、練習に励んだものだ。
なのであの頃は国産ギターを下に見ていた。
が、認識が甘かった。あの頃の国産ギターは凄いんだ。
それが証拠にこのギター、ナリはボロボロだけど今でもネックは反ってないし、チューニングだって全く狂わない。さすが、フジゲン製造だ。
ただ流石に電装系が怪しくなってきたので只今、電装系の改造を計画している。
最近はすっかり出番が無くなってしまったこのストラトだが、改造が済んだら、またバリバリ使いたいと思っている今日この頃なのであった。