リアルタイムでのブルー・チアー評はどんなだったのか

世のバンドマンの間で影響を受けたバンドと言えば、「ビートルズ」の名前をあげる人が一番多いことだろう。バンドを演ってない人でも一番好きなバンドはビートルズと答える人は相当いると思う。ビートルズは偉大なバンドであるからそれは当然だと思う。私自身もビートルズはポップな曲から実験的な曲までスゲーと思うし大好きだ。だが正統派なんだよな(いい意味で)。

世の中にはイビツな音楽を好む人がたくさんいる。
そんなちょっとだけひねくれた人が最も影響を受けたバンドにあげるのがこの「ブルー・チアー」ではなかろうか。特にヘヴィロック系を演奏している人の間では絶大な支持を得ている。

ところでリアルタイムでの日本ではブルー・チアーは人気があったのだろうか。
1968年のミュージックライフ誌でのブルーチアーに関する初めての記事を見てみよう。

ジェファーソン・エアプレイン、グレートフル・デッド等と同じく、アメリカ・サンフランシスコ出身のニュー・グループ。「サマータイム・ブルース」のヒットで注目された。ジミ・ヘンドリックス、クリーム、エアプレインの3つのグループに強く影響を受けており、今のところ、コピーの域を出ていないが、ユニークな面もいくつかあり、今後の成長株。

けっこう手厳しいですな。

私の知り合いのベテランミュージシャンで当時の様子を知る方に聞いたところ、日本でもサマータイム・ブルースはそこそこ売れたしけっこう人気があったそうだ。(まぁあくまでもマニアの間でだと思うが)
そしてその方の友人がやってたバンドはもろにブルーチアーの影響を受けていたそうです。

そのバンドってのは日本でも幻のバンドになってる「ブラインド・バード」です。
私もこのバンドの音は聴いたことがない。なにせ音源として残されているのが「ロックエイジコンサート」というライブオムニバスアルバムに1曲のみ収録というもの。恐らくCD化は難しいだろう。

中古屋で見かけたことはあるがクソ高い値段でとてもじゃないが手に入らない。海外経由でブートレッグ化されて手に入らないかな。他の出演バンドも最高なんだよな。フラワー・トラベリンバンドとかトゥー・マッチとか、スピード、グルー&シンキとか。ブラインド・バード聴きてぇ~!

話がそれた。

私が始めてブルーチアーを聴いたのは高校2年生の頃。
その頃は勿論CD化されていなく、中古屋でも滅多に見なかった。
サマータイム・ブルースを演奏しているという予備知識はあった。

サマータイム・ブルースのカバーといえば子供ばんどやバウ・ワウ、ザ・フーなどのバージョンは知っていたので、ブルーチアーのバージョンが聴きたくて聴きたくてしょうがなかった。

その後数年経って知ったが、あの日本のダイナマイツも演奏していた!

ある日いつものように「週間FM」をチェックしているとブルーチアーの文字が!
しかも2曲オンエアされる!

その時オンエアされたのが、「サマータイム・ブルース」と「パーチマン・ファーム」。

鉄板ナンバーですね。

もう期待以上に爆音で轟音でぶっ飛んでいたので興奮しまくった。
あまりにも音がラフなので、念願の1stアルバム「Vincebus Eruptum」を入手するまで、ライブだと勘違いしていたのは良い思い出だ。

 

ブルーチアー ディスコグラフィ(リー・スティーヴンス在籍時)


Vincebus Eruptum

1968年発売。メンバーの年齢も19~20と若い。
ヘヴィサイケブルース全開、緊張感溢れる演奏が聴ける。
録音時、マーシャルの壁を作りスタッフに大ひんしゅくだったらしい。
全米11位。シングルカットされたサマータイムブルースは全米14位。


Outsideinside

1968年発売。曲作りに陰影を持たせたセカンドアルバム。
いびつな音は1stと比べると足りないがそれでもやはり聴き所満載。
個人的にはリズムが軽い気がする。全米90位。


LIVE&UNRELEASED

突如日本のキャプテントリップより発売されたアルバム。
1968年のライヴ・テイクに1974年のデモ・テイクを追加収録。全未発表音源。


LIVE AT SAN JOSE CIVIC CENTER 1968+MORE

上記のVol.2。音質がひどくマニア以外にはオススメできない。