アメリカ・コネチカット州のヘヴィ・サイケバンド、Yesterday’s Children(イエスタディズ・チルドレン)が唯一残したアルバムです。


Yesterday’s Children

バンドは1966年に結成。シングルを3枚残している。
音はガレージ・パンクな仕上がりです。

そして、レーベルが移り1969年に発売したのが本作品なわけです。

このアルバム初めて聴いた時、自分の耳を疑いました。
69年にリリースされたアルバムとは思えないようなハード・ロックなんです。
そのヘヴィさはちょっと異常ですね。この時代にこんなスタイルの曲をやっていたとは。
こんな凄いバンドが埋もれた存在だったなんて、アメリカってやつは一体どんな国なんだよ。

 

現代ではアメリカン・ハード・ロックの始祖はMC5とかブルー・チアーとか色々言われてますが、このバンドだって負けてない。
1969年にデビューした他のハード・ロックバンドでいうとグランド・ファンク・レイルロードが人気ありますが、GFRよりイエスタディズ・チルドレンの方が全然うるさいです。音が太いです。
やっぱり運ってあるんだなぁ。

サー・ロード・バルチモアとかに近いかも。もっと音をぶっとくした感じ。

さて本アルバムですが、全編通してヘヴィでサイケでブルージーな音がぎっしり詰まってます。
録音自体も音が素晴らしい。とにかく太い。特にドラムの音が凄まじい。
ボーカルもしゃがれ声で汚い声でうまい。

難点はリード・ギターが曲中ず〜っと単音を弾いてること。
これが曲をぼかしてしまってる気がします。
つまり、曲構成がわかりづらい。その辺がイマイチメジャーになれなかった要因かもしんない。

しかし!
M7「Evil Woman』、これはズバ抜けてかっこいい。
イギリスのスプーキー・トゥースで有名な曲だけど、こっちの方が破壊力は100倍上だ。
奥深さでいったらスプーキー・トゥースの方が100倍上だけど

と、まぁヘヴィ・ロック好きなら絶対に抑えておきたい一枚ですが、結成当初の音が聴きたいなら、以下のアルバムで聴けます。


Wanna Come Back From the World of Lsd

イエスタディズ・チルドレンの3年前の音源。
この頃の3年って本当に進歩の加速が早いことが実感できます。