ブラックサバス・サウンド方法論

ブラックサバスといえばオジーオズボーンのキャラクターとトニーアイオミのヘヴィなリフが象徴的だ。
ブラックサバスは世界中にたくさんの(悪魔の?)申し子を生み出した。
例えばバッジーなどはその代表だと思う。
その繁殖ぶりはニルバーナなどグランジ系の台頭からより顕著になったのではなかろうか。

我が日本でも人間椅子(最高!今でも頑張ってますね)、中学生棺桶(現・例のK)、BORISなどなど。

ハードロックというよりヘヴィロックといった方がしっくりくるブラックサバスのサウンドだが、実は私的にはレッド・ツェッペリンとよく似ていると思っている。(異論はあるとおもいますが)

理由は2つある。

まずは曲の構成。通常のAメロ、Bメロと来てからの曲展開がガラッと変わり聴くものを「この次はどういう展開になるんだろう?」と思わせる。

そしてギターリフ。サバスもツェッペリンもギターリフが売りのバンドだと思う。トニーアイオミとジミーペイジは最高のリフメイカーだ。

目指すサウンドは2バンドとも違うのだが、曲の方法論は同じだと思う。

リッチーブラックモアはこの二人のギタリストをかなり意識していたのではないだろうか。
なぜ昔のハードロック・バンドが今でもかっこいいのかというと、リフがかっこいいからなのだと思う。
サバス、ツェッペリン、ディープ・パープルが今でも人気があるのはリフが印象的だからなのでは。
そういえばクイーンだってリフがかっこいい。

最近のロックバンドでリフがかっこいいバンドが少ないのがちょっとさみしい。
自分がギター弾きだから余計に思うのかもしれないが、ギターがメインのバンドが少ないことも最近のCDが売れない原因なのかもしれない(こじつけか?)

ここからは個人的なお話です。
私が始めてブラックサバスの存在を知ったのは中学3年坊の時。
当時、土曜深夜の「鶴光のオールナイト日本」という番組の「この歌はこんな風に聴こえる」というコーナーがあり、そこでサバスの「ディス・ワールド」がかかり、その歌い出しのところが、「よーさー、ちんぽー、よー、まいどー」と聴こえると紹介していた。私は「よーさー、ちんぽー」よりも、そのヘヴィなサウンドにシビレまくり、そこからブラックサバスの大ファンになったのである。

その後、バンド活動を始めるようになり、ライブハウスで知り合った人などでサバスファンの人と話すと、私と同じように鶴光のオールナイトでサバスの存在を知ったという人が結構いたので驚いた。
そして今でもサバス中毒になっているのである。

世の中、何が原因でファンになるのかわからないものですな。

 

ブラック・サバス アルバム・レビュー(オジー在籍時まで


Black Sabbath

1970年2月13日の金曜日に発売されたファーストアルバム。メンバー平均22才。
ジャズやブルースの要素も入ったトニーアイオミのギターが堪能できる。全英8位。

 


Paranoid

1970年発売。前作からのヘヴィブルース路線をさらに拡大。
「パラノイド」はシングルカットされ全英4位のヒット。
アルバムも全英1位の大ヒット。

 


Master of Reality

1971年発売。重いリフに磨きがかかる。静と動のバランスが絶妙。
全英5位。

 


Black Sabbath 4

1972年発売。ヘヴィロックバンド「ブラックサバス」の頂点ともいえる作品。
ドロドロのヘヴィなリフは職人芸の域。全英8位。

 


Sabbath Bloody Sabbath

1973年発売。ヘヴィなリフは少なくなりプログレ的な曲が増える。
曲の完成度は高いが以前よりパワーダウン感あり。全英4位。

 


Sabotage

1975年。内容は前作を更にスケールアップした内容で更にプログレ度が増す。
ジャケがかっこ悪い。全英7位。

 


Technical Ecstasy

1976年発売。かっこいいハードな曲もあるがトータルでおとなしめの印象。
パンク全盛のイギリスでこの内容は厳しいだろう。全英13位。

 


Never Say Die

1978年発売。タイトル曲はポップでハードな良作だが全体的には完全にやっつけな感じがする。
このアルバムを最後にオジーは脱退。全英12位。

 


Past Lives

オジーが脱退した1980年にリリースされた初期ライブ音源にボーナストラックを追加した2枚組。
音質の悪さがむしろブラックサバスの本質を浮き彫りにしている。