ヤングサウンド・R&Bはこれだ!
故・黒沢進氏も執筆していた、GSの総合マニア誌「GS&POPS」という専門誌が80年代末に発刊されていた。
この雑誌とネオGSブームが後のGSブームの火付け役になっていたような記憶がある。
上記の写真は「GS&POPS」の出版元である「グリーンフィールド」から自主制作で復刻された、日本のガレージパンクの大御所、ザ・ダイナマイツの唯一のアルバム(リアルタイムでの)「ヤングサウンド・R&Bはこれだ!」である。
発売当時の価格は新品で1.650円ととても安かった。
ただし曲順やジャケット、あと恐らく音質はオリジナル版とは変えられている。
私がハタチの頃に働いていた職場にリアルタイムでグループサウンズ~ニュー・ロックを体感していたS先輩という方がいて、その人には随分と当時の話を聞かせていただいた。
そのS先輩も「若いクセに古い音楽が好きなんて変わった子だ」となぜか気に入られ、大分可愛がってもらった。
S先輩が「当時、ゴールデンカップスとモップスとダイナマイツは凄かった」と聞かされ、私は村八分の山口冨士夫さんがいたダイナマイツに特に興味を持った。
S先輩が「トンネル抜けぇてぇ~。って歌が当時そこそこヒットしたんだよ」なんて教えてくれて、私は随分と間抜けな歌詞の歌だなぁ。なんて思っていたのだが、初めて上記のアルバムを入手した時あまりのカッコよさにブッたまげた。
後から知ったのだが当時こ「トンネル天国」を渡されて嫌で嫌でなんとかアレンジしたということだが「そうだろうなぁ」妙に納得してしまいました。
サビの部分の「若い僕らの~」ってところはどうしようもなかったんだろうなぁ。歌詞はさすがにいじくれなかったのだろうなぁ。
アルバムの選曲もレパートリーに無い曲を渡されたということだが、流石にダイナマイツ。
どの曲も魅力的。演奏も最高にカッコいいし、なにより瀬川洋さんの歌がバツグンにうまい!
この人英語喋れるのかな?と思うくらいに発音も素晴らしいし
瀬川さんのインタビューによると米軍キャンプを回ってた時に米軍人さんにいろいろと教えてもらったそうだ。
その後、このアルバムは無事CD化され、ダイナマイツが世に出した全ての曲が聴けるようになってとても嬉しい限りだ。
トンネル天国はシングルバージョンとアルバムバージョンがあり、アルバムバージョンの方が疾走感が素晴らしくこちらの方が評価が高いようだが、私はシングルバージョンのタイトな演奏も捨てがたい。ドラムの音質が生々しく響きなんともカッコいいのだよ。
98年にはまさかのダイナマイツ・ライブ盤「LIVE AT “GO GO ACB”1969」が発売され、嬉しい悲鳴!音質は酷いのだが凄さは伝わってくる。
1曲目のJUSTEENなんて最高だ!
ブルーチアー・バージョンのサマータイム・ブルースを演奏していたのがビックリだ。
これがまた完コピでその上破壊力のある演奏なんだな。
ダイナマイツがビクターにスカウトされ、デモ音源を録音したという事実が冨士夫さんと瀬川さんのインタビューから判明されているが、この音源は果たして残っているのだろうか。
もしもあるなら絶対にCD化して欲しい!!!
ダイナマイツ ディスコグラフィ
ザ・ダイナマイツ・コンプリート・コレクション
1968年に発売されたダイナマイツ唯一のアルバム「ヤングサウンド・R&Bはこれだ!」にシングル曲など全てを収録したコンプリート盤。
「トンネル天国」「恋はもうたくさん」はシングルとアルバムでガレージ度が違うので聴き比べることをオススメ。
LIVE AT THE ‘GO GO ACB’ 1969
1969年の貴重なライブ音源。本来のダイナマイツの音が聴ける。
音質は悪いが演奏のクオリティはビシビシ伝わってきます。
サマータイム・ブルースは必聴!