ELPのカール・パーマーが在籍していたことで有名なアトミック・ルースターですが、私はジョン・カンが好きなので彼を中心に話をすすめて参る所存であります。
69年にクレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウンのヴィンセント・クレイン(Key)とカール・パーマー(dr)がニック・グラハム(b)を誘い、アトミック・ルースターを結成。
70年3月に「Atomic Roooster」をリリース。
キーボード・トリオなワケですが、音はプログレ・サイケな感じ。
面白いのだが、もう少し音圧があればよかったと思う。
その後、音楽的相違からニック・グラハムが脱退。
元アタック〜アンドロメダのジョン・カン(g,vo)が加入。
アメリカ進出を目論むバンドは、サウンド強化のため、UK盤ファーストにカンのギターと歌をダビング、グラハムの歌やベースソロもカンのギターに差し替える(この辺シビアだよな)。
現在はオリジナル盤にUSバージョンがボートラ入りの仕様で聴けます。(上記紹介のやつ。ちょっとかっこ悪い。オリジナルは右下の鳥のみ)
バンドはベースレス編成でクレインがベースパートをオルガンで兼任。
ドアーズみたいなもんですね。
そして今度はカール・パーマーがELP結成のため脱退。
ポール・ハモンドが後任に。
ベースレス・トリオとして活動していたバンドは同70年に2ndアルバム「Death Walks Behind You」をリリース。
ヘヴィ・プログレ・ロックな陰鬱で重い世界観が繰り広げられるこのアルバム。
よくUKチャート12位になったよな。
71年になるとボーカル強化のため、元リーフ・ハウンドのピーター・フレンチが加入。
個人的にピーター・フレンチが大好きでして。私の中では10本指に入ります。
3rdアルバム「In Hearing of」をリリース。
英チャート14位まで。
全体的にクールでブルージーでヘヴィながらもわかりやすい曲が並んでます。
ピーター・フレンチの力がデカイと思いますけどね。
このアルバムがアトミック・ルースターの代表作と言われています。
英国的な湿ったハード・ロックが聴けます。
このアルバムリリース後、ソウル指向のクレインとハードロック指向のカン&ハモンドが対立。
カン&ハモンドは脱退しBullet(ハードスタッフ)を結成。
フレンチは渡米しカクタスに加入。
残ったクレインはクリス・ファーロウ(vo)を迎え入れ、72年に「Made In England 」、73年に「Nice’n’Greasy 」をリリース。が不発。
75年2月にバンドは解散。
しかし79年にカンとクレインが中心となり再結成。
80年に「Atomic Rooster」をリリース。
82年に「Headline News」をリリース。
84年にはセールスが芳しくなかったようで解散。
その後も再結成の話が何度か持ち上がったが、89年にクレインの自殺で断念。
なんとも後味の悪い幕切れでした。